掃除のおばさんが退職された新年度
 | 朝7時前に出勤すると 会社の玄関がすでに空いている。 佐藤さんが掃除に来てくれている事が分かる。 朝早くから大変だと思いながら 玄関を入ると、そこに笑顔の佐藤さんがおられ 「おはようございます」。の挨拶を交わす。 |
小さな体で頑張ってきた佐藤さん
 | 佐藤さんは笑顔をのかわいらしい小柄な女性 人生経験豊富な先輩と言ったところだ。 小さな会社と言っても1階から３階まで かなりの広さが有る 3〜４時間掛けて丁寧な掃除をされる方だ 食堂に有る社員のコップ類まで丁寧に洗ってくれる。 几帳面な性格と言ってしまえばそうだが 有りがたい事だった。 お年の割にスキーが好きで夫婦で山に行く話も聞いた。 こんな佐藤さんにも時が来た様だ。 朝、合うと体の不調を話すようになった。 お年だから仕方が無い事だが 何も力になる事が出来ない。 ただ、話を聞いてあげるしかなかった。 |
佐藤さんの退職
 | 新しい年度替わりを迎えて 佐藤さんが本当に退職する事を聞いた。 来る時が来たんだな 身近な人が去って行くのは寂しいものだ。 でも、ここまで良く頑張って頂いた 感謝の気持ちで一杯だった。 これからは体を大切にして お孫さんと楽しく過ごして頂きたい そんな思いで送り出させて頂いた。 本当に、長い間ありがとうございました。 直接言葉にするの恥ずかしいのでここでお礼を言おう。 |
佐藤さんの退職後に有りがたさを感じる社員
 | 朝、会社に来ればゴミ箱の中は綺麗に空っぽになっていて 窓ガラスも床もピカピカ、トイレから台所まで綺麗な空間 これが当たり前だった。 佐藤さんが退職されると誰もその様な事をしないのだから ゴミが溜まり、ホコリが溜まり、環境が悪くなる。 朝の朝礼で次の掃除業者さんが決まるまで 社員で対応する話が有った。 今まで何もしなかった社員には ちょっとした事に違和感が有る様だ。 始業前の掃除は仕事なのだろうか？ 心に思う事が手に取る様に分かる。 現代の人達はクールに物事を割り切るので その様に考えるのも仕方が無い事だろう。 |
新しい掃除業者さん
 | ４月から新しい業者さんが掃除に来られる様になった。 社員からしてみれば、ホットした感じだ。 ただ環境は大きく変わった。 佐藤さんは仕事の邪魔にならない様に 朝６時頃から事務所の掃除 会社が始まってから 会議室など使われない処の掃除をされていた。 掃除機の音も全く気にならない環境だった。 新しい業者さんは仕事が始まった９時半頃から掃除が始まる。 事務所の中では掃除機の音と、会話の音で騒がしい。 見るからに外国の方が掃除機を使っているのに驚き 丁寧に床も拭いて貰えるのだが、仕事を止めて足元を拭いてもらう。 ビジネスとしての掃除作業なので仕方が無いが気を使う。 どうしても佐藤さんと比べてしまうのは仕方が無い事だと思った。 |
まとめ
 | 工場上がりの自分は基本の5Ｓと言って教育されてきた。 １.整理 ２.整頓 ３.清潔 ４.清掃 5. 躾 今回、佐藤さんが退職された事で 自分達でやらなければならない事を見直す 良い機会かもしれない。 これを機会にオーセブンの新しいルールが出来た。 机の上は帰宅時には何も置かない。 毎朝、自分の机を雑巾で拭く。 ゴミ捨ては、朝自分達でする。 棚の上には物を置かない。 全社員の躾から新年度は始まった。 |
