ふるさとは遠きに有りて思うもの 室生犀星(ムロウサイセイ)
今年の5月連休は、日並びも良く最長で9連休でした。 なかなか実家に帰れない者にとっては帰郷の良いチャンスです。 もう、何年も墓参りもしていない負い目を埋めに西へ向かいました。 私の故郷は広島の尾道と言う港町です。 |
昔、見慣れた風景が迎えてくれました
尾道を出て15年、歳を取るのは早いですね。 転勤で名古屋に11年、そして現在は埼玉まで来ました。 どんどん、田舎が遠くなります。 尾道駅を出ると見慣れた林芙美子の銅像が迎えてくれました。 放浪記の石碑の文句が自分の思いを語っています。 「海が見えた、海が見える、五年ぶりの尾道の海はなつかしい」。 転勤はサラリーマンの宿命 辞令が出ると従うしか有りません。 「沈まぬ太陽」では有りませんが 辞令一枚で海外を10年赴任させられる嘘の様な現実が有ります。 単身赴任の営業マンなどざらに出会いますから珍しくも無いですね。 転勤はサラリーマンにとって避けては通れない道と覚悟するしかありません。 |
すたれる故郷が目の前に有りました
尾道と言う町は広島県の東側に位置していて、港町として栄えて来ました。 昭和の時代は海運と造船が主産業でした。 坂とお寺の街として観光にも力を入れて来て、新幹線まで止まる様に頑張りました。 大林監督のおかげで映画の撮影なども行われ全国的に宣伝して頂きました。 瀬戸大橋の今治までのルートも出来さぞ良い街になっていると思って帰って来ました。 しかし駅前の商店街に入ってみると活気が有りません。 地方都市の象徴、シャッター商店街と化していました。 子供の頃は一番の繁華街で、歩くだけでも楽しい処だったのに もはや言葉になりませんでした。 尾道の街に帰ってみて率直な感想は、自分も年老いたが、この町もずいぶん 歳を取ったなーと思いました。 |